みなさん、こんにちは!
連載として、FP3級の資格試験に対応した内容を分かりやすく解説していきます!FP試験で学ぶお金の知識は、日常生活や家計管理に直結するものばかり。資格取得を目指す方はもちろん、「生活の質(QOL)をアップさせたい!」という方にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。
私自身、独学でFPの勉強に励んだ経験があります。同じように頑張っている方の背中を少しでも後押しできたら嬉しいです!
※税制や法律は頻繁に変わるため、試験を受ける際は必ずご自身が受験する年の最新テキスト(法令基準日)をチェックしてくださいね。
所得控除とは?
今回は「所得控除(しょとくこうじょ)」について解説します。 簡単に言うと、所得控除とは「一人ひとりの個人的な事情を考慮して、税金がかかるベースの金額(所得)を減らしてくれる制度」のことです。
たとえば、「今年は災害にあって大変だった」「医療費がたくさんかかった」「養っている家族が多い」など、人それぞれ事情が違いますよね。そうした事情をくみ取って、税金の負担を軽くしてくれる優しい仕組みなのです。
所得控除は、大きく「物的控除(7種類)」と「人的控除(8種類)」の2つに分けられます(全部で15種類あります)。順番に見ていきましょう!
📌 【物的控除】お金の支払いなどを考慮する控除(7種類)
まずは、特定の出費や損失があった場合に受けられる「物的控除」です。
1. 雑損(ざっそん)控除
災害(台風や地震など)、盗難、横領によって、生活に必要な資産に損害を受けた場合の控除です。
- 対象者: 本人、または生計を一にする配偶者・親族(所得制限あり)
- 対象外になるもの: 詐欺や恐喝による被害、生活に通常必要ない資産(別荘や30万円以上の貴金属など)
2. 医療費控除
1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる、試験でも超頻出の控除です!
- 対象: 本人、または生計を一にする配偶者・親族のために支払った医療費
- 控除額の計算:
- 総所得金額が200万円以上の場合:(医療費の合計額 - 保険金等の補填額) - 10万円
- 総所得金額が200万円未満の場合:(医療費の合計額 - 保険金等の補填額) - 総所得金額等の5%
- 限度額: 最高200万円
⚠️ 間違いやすいポイント:医療費控除の対象外 治療を目的としない費用は対象外です。「健康診断や人間ドックの費用(重大な病気が見つかった場合を除く)」「美容整形」「予防接種」などは控除の対象にならないので、しっかり区別しましょう!
3. 社会保険料控除
健康保険料、厚生年金保険料、国民年金保険料、雇用保険料などを支払った場合、支払った全額が控除されます。
4. 小規模企業共済等掛金控除
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や、小規模企業共済の掛金を支払った場合も、支払った全額が控除対象になります。節税効果が非常に高い制度です。
5. 生命保険料控除
生命保険や医療保険などを支払った場合の控除です。契約日によって制度が分かれます。
- 新契約(平成24年1月1日以降): 「一般」「介護医療」「個人年金」の3区分。所得税の限度額は各4万円(合計最大12万円)。
- 旧契約(平成23年12月31日以前): 「一般」「個人年金」の2区分。所得税の限度額は各5万円(合計最大10万円)。
6. 地震保険料控除
地震保険の保険料を支払った場合の控除です。所得税の最高限度額は5万円です。
7. 寄付金控除
国や自治体などに寄付をした場合の控除です。大人気の「ふるさと納税」も、この寄付金控除の仕組みを利用しています!
- 基本の計算式: (特定寄付金の額 または 総所得金額等の40% の低い方) - 2,000円
- ※つまり、2,000円以下の寄付は足切りされて控除対象になりません。
🧑🤝🧑 【人的控除】人に関する事情を考慮する控除(8種類)
次に、家族構成や本人の属性など「人」に着目した控除です。 ※ここから先は、近年の税制改正で金額や要件が大きく変わっているため要注意です!
✨ 改正のポイント:基礎控除の引き上げと要件の変更 以前は基礎控除などの所得要件が「38万円」でしたが、給与所得控除が10万円引き下げられたことに伴い、基礎控除や配偶者・扶養の所得要件が「48万円」に引き上げられました。古いテキストを使っている方は必ず「48万円」にアップデートしてください!
8. 基礎控除
納税者本人の合計所得金額が2,400万円以下であれば、無条件で48万円が控除されます。(2,400万円を超えると段階的に減り、2,500万円超でゼロになります)。
9. 配偶者控除
納税者の所得が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者(内縁は不可)の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の場合に受けられます。
- 一般の控除対象配偶者: 最大38万円
- 老人控除対象配偶者(その年12月31日時点で70歳以上): 最大48万円
10. 配偶者特別控除
配偶者の所得が48万円を超えてしまっても、133万円以下であれば、段階的に控除を受けられる制度です。本人の所得が1,000万円以下であることが条件です。
11. 扶養控除
生計を一にする16歳以上の親族(合計所得金額48万円以下)を養っている場合の控除です。年齢によって金額が変わります。
| 区分 | 年齢(その年12月31日現在) | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般の扶養親族 | 16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満 | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満(主に大学生) | 63万円 |
| 老人扶養親族 | 70歳以上(同居の老親等) | 58万円 |
| 70歳以上(上記以外) | 48万円 |
⚠️ 間違いやすいポイント:16歳未満は対象外! 児童手当が支給されている関係で、「16歳未満の扶養親族」には扶養控除が適用されません。試験の引っかけ問題でよく出ます!また、老人扶養親族は「同居」の方が金額が高い(58万円)こともセットで覚えましょう。
12. 障害者控除
本人、同一生計配偶者、扶養親族が障害者である場合の控除です。1人につき27万円(特別障害者の場合は40万円など)です。
✨ 改正のポイント:ひとり親控除の創設と寡婦控除の見直し 令和2年分の税制改正で、未婚のひとり親に対する不公平を解消するため、従来の「寡夫控除」が廃止され、新たに「ひとり親控除」が創設されました!
13. ひとり親控除(新設)
婚姻歴の有無にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等48万円以下)がいる単身者で、本人の合計所得金額が500万円以下の場合、35万円が控除されます。
14. 寡婦(かふ)控除
上記の「ひとり親」に該当しない、夫と死別・離婚した女性で、扶養親族がいる等の要件を満たし、本人の合計所得金額が500万円以下の場合に27万円が控除されます。
15. 勤労学生控除
働きながら学校に通う学生(大学、高校、専門学校など)で、合計所得金額が75万円以下(かつ給与以外の所得が10万円以下)の場合に、27万円が控除されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 所得控除には合計15種類(物的7種類・人的8種類)があり、ボリューム満点に感じたかもしれません。ですが、FP3級の試験では、すべてを完璧に暗記する必要はありません。
まずは「どんな事情のときに、どの控除が使えるのか?」という名称と内容を一致させること。そして、今回「注意点」や「改正のポイント」で挙げた金額(48万円の基準など)や年齢の罠(16歳未満対象外)を確実におさえておけば、本試験でもしっかり得点できますよ!
📝 今日の確認クイズ!
問題: 納税者(合計所得金額500万円)と生計を一にする、年齢15歳の長男(所得なし)がいます。この長男について、所得税の計算上、扶養控除の対象となるでしょうか?
↓
解答: 対象とならない。
解説: 扶養控除の対象となるのは、その年の12月31日現在で年齢16歳以上の親族です。16歳未満の子供は児童手当の対象となっているため、扶養控除は適用されません。試験で非常によく狙われるポイントなので覚えておきましょう!


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