みなさんこんにちは!
連載としてFP(ファイナンシャルプランナー)の資格試験に対応する内容を解説していきたいと思います。
FP試験の内容は日常生活にも深く関わってくる内容が多いので、資格取得を予定していない方でもQOLアップにつながる内容が多いと思いますのでぜひ参考にしてください!
私が独学でFP2級に1ヶ月で合格した経験をもとに、同じように独学でがんばっている方など少しでも多くの方の受験の手助けになれたら嬉しいです!
※試験範囲は変更・追加となる場合がありますので、常に最新情報のチェックをお願いします。
今回は所得の損益通算についてです。
損益通算とは
これまで各種所得の計算について個別に見てきました。
各種所得の計算が終わりましたら、次の段階として損益通算について確認していきましょう。
損益通算とは、特定の所得の赤字を他の所得の黒字から差し引くことを言います。原則として、損益通算が認められるのは以下の所得が赤字の場合です
- 不動産所得
- 事業所得
- 山林所得
- 譲渡所得
注意点として、赤字の所得がすべて損益通算の対象になるわけではありません。
具体的には、不動産所得、事業所得、山林所得、および譲渡所得が赤字の場合にのみ、損益通算が認められます。
青色申告制度の時に「富士山(不・事・山)は青い」と覚えたかもしれませんが、損益通算の場合は「富士山上(不・事・山・譲)」という語呂合わせで覚えておくと良いでしょう。
損益通算の順序
損益通算には順序があります。詳細な内容については2級の学習範囲になりますので、ここでは損益通算には順序があるということだけを押さえておきましょう。
まず、同じ所得グループ内で損益通算を行います。例えば、不動産所得が赤字の場合には、まずは同じ所得グループ内である給与所得や事業所得等の黒字と通算します。その後に譲渡所得等のグループを通算していく、といった流れです。
細かく覚えるのは大変ですので、試験対策上はこのように、損益通算にはグループによる順序があるということを理解しておいてください。
損益通算の対象にならない損失
損益通算について、不動産所得における土地等を取得するために用した負債利子の扱いを見ていきましょう。
前提として、土地に対する借入金の利子は損益通算の対象にはなりません。
赤字になる分は切り捨てられます。
土地と建物を一括して借入金で取得した場合、建物の分の借入金の額に対する負債利子は必要経費として充当できます。
例として以下の2つのケースを考えます。
ケース1:
収入: 500万円
必要経費:
- 他の経費: 150万円
- 建物に対する借入金の利子: 250万円
- 土地に対する借入金の利子: 250万円
この場合、必要経費の総額は以下の通りです:
- 他の経費: 150万円
- 建物の借入金の利子: 250万円
合計: 400万円
土地に対する借入金の利子は計算に含めないため、損益通算の対象にはなりません。収入が500万円で必要経費が400万円の場合、損失は発生しません。そのため、損益通算は不可です。
なお、この場合は不動産所得は0円ということになります。
ケース2:
収入: 500万円 必要経費:
- 他の経費: 400万円
- 建物に対する借入金の利子: 250万円
- 土地に対する借入金の利子: 250万円
この場合、必要経費の総額は以下の通りです:
- 他の経費: 400万円
- 建物の借入金の利子: 250万円
合計: 650万円
土地に対する借入金の利子は計算に含めないため、損益通算の対象にはなりません。収入が500万円で必要経費が650万円の場合、150万円の赤字損失が発生します。そのため、この損失は損益通算の対象となります。
そのほか、一部の株式にかかる譲渡所得の計算上生じた所得は損益通算の対象にはなりませんが、ここではひとまず土地に対する借入金の利子は計算に含めないため、損益通算の対象にはならないということを覚えておきましょう。
まとめ
損益通算は内容がややこしいですし、あまり3級の試験上では重要ではないかもしれませんが、実際の税金計算ではトップクラスに重要な論点になりますので、今後の生活に役立てる目的であれば覚えておいて損はない範囲になりますのでぜひ興味をもってみてほしいと思います!
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