みなさん、こんにちは!
連載として、FP(ファイナンシャルプランナー)3級の試験範囲に基づいた講座内容を分かりやすく解説していきます。
今回のテーマは、「タックスプランニング」分野から「退職所得」です!
FP試験の内容は、私たちの日常生活や将来のマネープランに直結するものばかり。資格取得を目指す方はもちろん、「お金の知識をつけてQOL(生活の質)をアップさせたい!」という方にも役立つ内容ですので、ぜひリラックスして読んでみてくださいね。私が独学でFP試験を乗り越えた経験も踏まえて、みなさんの学習をしっかりサポートします!
※試験範囲は変更・追加となる場合がありますので、常に最新情報のチェックをお願いします。
1. 退職所得とは?
所得税の分類の中で、今回注目するのは退職所得です。 退職所得とは、文字通り退職に際して勤務先から受け取る退職金(退職手当)や一時恩給などのことです。
長年勤め上げたご褒美ともいえる退職金ですが、ここにはもちろん税金がかかります。しかし、老後の大切な生活資金となるため、他の所得に比べて税金がかなり優遇されているのが最大の特徴です。
2. ⚠️間違いやすいポイント!退職金=退職所得とは限らない?
「退職時にもらうお金なら、全部退職所得になるんでしょ?」と思いがちですが、ここが試験でよく狙われる間違いやすいポイントです!以下の2つのパターンには特に注意してください。
- 死亡退職金 従業員が亡くなったことによって遺族に支払われる退職金です。
- 死亡後3年以内に支給が確定したもの:相続税の対象
- 死亡後3年超に支給が確定したもの:遺族の一時所得の対象 👉 つまり、どちらも「退職所得」にはなりません!
- 退職年金 退職金を「一時金(一括)」ではなく、「年金」として少しずつ受け取るパターンです。 👉 年金として受け取る場合は、退職所得ではなく雑所得となります!
「退職所得は、生前に一時金(一括)で受け取るもの」としっかり覚えておきましょう。
3. 退職所得の課税方法
退職金を受け取る際、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出するかどうかで、税金の処理が大きく変わります。
- 申告書を「提出する」場合(基本はこちら) 会社が適正な税額を計算し、所得税・住民税を天引き(源泉徴収)してくれます。そのため、原則として確定申告は不要です(分離課税)。
- 申告書を「提出しない」場合 退職金の支給額に対して、一律20.42%(復興特別所得税含む)の税金が源泉徴収されてしまいます。本来支払うべき税金よりも多めに引かれてしまうことがほとんどなので、払いすぎた税金を取り戻すために確定申告が必要になります。
源泉徴収されているので確定申告しなくても違法ではありませんが、損をしないためにも、退職時は忘れずに申告書を提出しましょう!
4. 退職所得の金額の計算方法
ここからは計算問題でよく出るパートです。退職所得の金額は以下の計算式で求めます。
(収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2 = 退職所得の金額
ここでの最大のポイントは、控除額を引いたあとに「1/2を掛ける(半分にする)」という点です! 退職金は老後の生活を支える大切な資金なので、「税金がかかる対象額を半分におまけしてあげよう!」という国からの配慮だとイメージしてください。
💡 退職所得控除額の計算方法
退職所得控除額は、勤続年数によって計算式が変わります。
① 勤続年数が20年以下の場合
40万円 × 勤続年数 = 退職所得控除額 (※最低80万円保証)
② 勤続年数が20年を超える場合
800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) = 退職所得控除額
※「800万円」とは、最初の20年分の控除額(40万円×20年)をひとまとめにした数字です。21年目からは、1年あたりの控除額が40万円から70万円にパワーアップします!
【注意点:端数の処理】 勤続年数に「1年未満の端数」がある場合(例:10年3ヶ月)、端数は切り上げて1年と数えます。つまり、10年3ヶ月なら「11年」として計算します。満何年ではなく、「何年目か」で考えると分かりやすいですね!
5. 📝 改正のポイント(短期退職手当等について)
近年、退職金に関する税制改正がありましたので、最新のルールとして押さえておきましょう。
これまで、退職所得の「1/2課税の優遇」は誰でも受けられましたが、勤続年数5年以下の役員等以外の人(一般の従業員など)に対する退職金(短期退職手当等)についてはルールが厳格化されました。
- 改正内容: 勤続年数5年以下の人が受け取る退職金のうち、「退職所得控除額を引いた残りの金額が300万円を超える部分」については、1/2にする優遇が適用されなくなりました(令和4年分以降)。
短期での退職金を利用した過度な節税を防ぐための制度変更です。試験でも「勤続年数5年以下」というキーワードが出たら少し警戒してみてくださいね。
まとめ
今回は「退職所得」について学習しました。 退職金を老後にどう使っていくか、どのように受け取れば税金面で有利になるかを知ることは、人生の大きな分岐点(ライフイベント)を乗り切るための強力な武器になります。
学ぶことが多くて頭がパンパンになってしまうかもしれませんが、FPの勉強は必ずあなたの(そして将来のお客様の)人生を豊かにしてくれます。焦らず、少しずつ復習していきましょう!
🧠 本日の確認クイズ!
最後に、今日学んだ内容のおさらいです。ぜひチャレンジしてみてください!
【問題】 Aさんは会社を退職し、退職金を受け取りました。Aさんの勤続年数は「15年と5ヶ月」です。この場合、退職所得控除額を計算する際に用いる勤続年数は何年になるでしょうか?
- 15年
- 15.5年
- 16年
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
【正解と解説】 正解:3. 16年 解説:退職所得の勤続年数を計算する際、1年未満の端数は「切り上げ」となります。15年と5ヶ月の場合は切り上げて「16年」として計算します。間違えてしまった方は、「満何年ではなく、何年目かで数える」と思い出してくださいね!


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