みなさんこんにちは!
FP試験対策の解説講座へようこそ。
本日のテーマは、【タックスプランニング】分野から「譲渡所得」についてです。
FP試験の学習内容は、税金や投資など私たちの日常生活やQOL(生活の質)の向上に直結するものばかりです。資格取得を目指す方はもちろん、お金の知識を身につけたい方にも役立つ内容ですので、一緒に楽しく学んでいきましょう!
今回は、所得税の中でも少し複雑に感じやすい「譲渡所得」について、図解や具体例を交えながら分かりやすく紐解いていきます。
1. 譲渡所得とは?
譲渡所得とは、持っている資産を売却(譲渡)した時に得た利益(所得)のことです。
対象となるのは、以下のような資産です。
- 土地・建物
- 株式・投資信託
- ゴルフ会員権
- 金地金(金塊)や、1個(1組)で価値が30万円を超える宝石・貴金属 など
💡 間違いやすいポイント:事業の売上や日用品は含まれない!
- 事業所得との違い: 八百屋さんが野菜を売って得た利益は「事業所得」です。販売を目的とした商品の売買は譲渡所得にはなりません。
- 非課税になるもの: 私たちが普段使っている家具や衣服、通勤用の車など、「生活に通常必要な動産」を売った利益は非課税です(ただし、1個30万円を超える貴金属などは課税対象になります。この「30万円」という数字は試験によく出るので要チェック!)。
2. 譲渡所得の計算方法
譲渡所得は、売った金額(収入)から、買った時の値段(取得費)や売るためにかかった費用(譲渡費用)を引いて計算します。
【譲渡所得の基本計算式】
譲渡所得 = 総収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額
- 取得費: 資産を買った時の代金、仲介手数料、購入時にかかった税金(不動産取得税など)が含まれます。建物の場合は、価値の目減り分(減価償却費)を差し引いて計算します。
- 譲渡費用: 売るために直接かかった費用(仲介手数料など)です。
- 特別控除額: 総合課税の対象となる譲渡所得(土地・建物・株式以外)には、最高50万円の特別控除があります。
3. 「総合課税」と「分離課税」の違い
譲渡所得を勉強する上で一番の壁が、「何を売ったか」によって税金の計算方法が変わる点です。ここは試験での頻出ポイントです!
| 売却した資産 | 課税方法 | 特徴 |
| 土地・建物 | 申告分離課税 | お給料などの他の所得とは完全に分けて計算する |
| 株式等 | 申告分離課税 | 同上 |
| その他の資産(ゴルフ会員権や金地金など) | 総合課税 | お給料などの他の所得と合算して計算する |
4. 所有期間で変わる!「短期」と「長期」
資産をどれくらいの期間持っていたかによって、「短期譲渡」と「長期譲渡」に分かれます。税金は、長く持っていた方(長期)が優遇されます。
ここでの超重要ポイントは「所有期間の判定基準日」です。
⚠️ 注意点:基準日の違いに気をつけよう!
- 土地・建物の譲渡(分離課税)
- 基準日:譲渡した年の1月1日時点
- 5年以下なら「短期」、5年超なら「長期」
- その他の資産の譲渡(総合課税)
- 基準日:譲渡した日時点(その当日)
- 5年以下なら「短期」、5年超なら「長期」
💡 間違いやすいポイント
土地建物を2024年6月1日に売却した場合、実際の所有期間ではなく、「2024年1月1日時点で5年を超えているか」で判定します。試験の引っかけ問題に注意しましょう!
土地・建物等の税率(申告分離課税)
税率の数字も余力があれば覚えましょう。短期の方が税率が重く設定されています。
- 長期譲渡所得:20%(所得税15%、住民税5%)
- 短期譲渡所得:39%(所得税30%、住民税9%)
5. マイホームを売った時の特例(居住用財産)
自分が住んでいるマイホーム(居住用財産)を売った場合には、税金を大きく減らせるお得な特例が用意されています。
① 3,000万円の特別控除
所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を差し引くことができます。
- 適用要件:
- 自分が実際に住んでいる家屋や土地であること(投資用や別荘はNG)。
- 親族など特別な関係の人への譲渡ではないこと。
- 前年・前々年にこの特例を受けていないこと(3年に1度しか使えません)。
- 確定申告が必須です。
② 軽減税率の特例
譲渡した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えているマイホームを売った場合、3,000万円特別控除を引いた後の利益に対して、さらに低い税率(軽減税率)を適用できます(①との併用が可能!)。
6. 改正のポイント:株式等の譲渡と「新NISA」
株式などを売却した利益(譲渡益)や配当金は、原則として20%の申告分離課税となります。しかし、投資を促進するために国が用意した非課税制度が「NISA」です。
2024年から制度が大幅に拡充され、FP試験でも非常に重要なトピックとなっています。旧制度との違いを意識して覚えましょう。
NISAは、本来であれば運用益(利益)にかかる約20%の税金が「非課税」になる、投資家にとって非常に有利な制度です。2024年から始まった「新NISA」を中心に、試験で問われやすいポイントを整理しましょう。
1. 新NISA(2024年〜)の主な特徴
- 非課税期間の無期限化:いつまで持っても税金がかかりません(以前は5年や20年といった期限がありました)。
- 口座開設期間の恒久化:制度自体が恒久的なものになり、いつでも始められます。
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用:2つの枠を同時に利用できるようになりました。
- 年間投資枠の拡大:年間最大360万円(つみたて120万円+成長240万円)まで投資可能です。
- 非課税保有限度額:一人あたり合計1,800万円(簿価残高ベース)まで非課税で保有できます。
- ※うち成長投資枠は1,200万円が上限です。
- 枠の再利用:保有している商品を売却すると、その分の枠(購入時の金額分)が翌年以降に復活し、再利用できます。
2. 旧NISA(〜2023年)との関係
- ロールオーバーは不可:旧NISA(一般・つみたて)で保有していた商品を、新NISAの枠へ移す(ロールオーバー)ことはできません。
- 別枠管理:旧NISAで投資した分は、新NISAの1,800万円枠とは「別枠」として、それぞれの非課税期間が終わるまで非課税で持ち続けることができます。
3. 試験対策・実務の注意点
- 損益通算・繰越控除ができない:これが試験での頻出ポイントです。NISA口座内で損失が出ても、他の口座(特定口座など)の利益と相殺したり、翌年以降に損失を繰り越したりすることはできません。
- 1人1口座:NISA口座はすべての金融機関を通じて1人1口座しか作れません。
💡 改正のポイント 旧制度に比べて「非課税期間の無期限化」と「枠の再利用が可能になったこと」が劇的な変化です。FP試験では、これらの数字やルールが新旧で混同されないよう、最新の制度(新NISA)をしっかりマスターしておきましょう!
【新NISA(2024年以降)のポイント】
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
| 主な対象商品 | 長期積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式、投資信託、ETF、REITなど |
| 年間の投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 年間の合計枠 | 最大 360万円(併用可能) | |
| 非課税保有効期限 | 無期限(いつまでも非課税!) | |
| 非課税保有限度額 | 合計 1,800万円(※うち成長投資枠は1,200万円まで) | |
| 投資可能期間 | 恒久化(いつでも始められる) |
旧NISA(非課税期間が5年や20年と限定的だった)に比べ、「無期限」「限度額1,800万円まで拡大」「両枠の併用が可能」になったのが最大の改正ポイントです!
まとめ
譲渡所得は「何を売ったか」「いつまで持っていたか」でルールが変わるため、苦手意識を持つ方が多い分野です。
しかし、FP3級の試験では「土地建物の基準日は1月1日」「マイホームは3,000万円控除」「NISAの限度額は1,800万円」など、出題されるポイントは決まっています。
難しく感じたら、まずはキーワードの暗記から始め、少しずつ過去問で慣れていけば大丈夫です。焦らず一歩ずつ頑張りましょう!
📝 今日の復習クイズ!
理解度をチェックしてみましょう。
問題:
土地および建物を譲渡した場合の長期譲渡所得とは、その譲渡があった日の属する年の1月1日における所有期間が( ① )を超えるものをいい、その他の資産(総合課税)の長期譲渡所得とは、譲渡した日における所有期間が( ② )を超えるものをいう。
(答えは下にスクロール!)
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正解:
① 5年
② 5年
どちらも「5年」が境界線ですが、基準日(1月1日か、譲渡当日か)が異なる点に注意してくださいね!


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